贅沢な雑記として。

東京は、あまり好きな場所ではなかった。

もちろん、友達もいるし、ハンドパンで関わっている人だってたくさんいる。
落ち着けるお店も一息つける公園もある。

 

それでも
この場所は僕にとって
大阪へ帰ることを
願う街だった。

 

そんな東京に
the caves×SHU
としてライブを
しにいった

ドラムステーション渋谷さんでのセミナー&ミニライブ
井の頭公園での池を見ながらのハンドパン練習
ハンドパン奏者峯モトタカオさんとの対談
新宿duesでのライブ出演
吉祥寺駅でのストリートライブ
初めから決まっていたかのように
空いた日に出会えた方
突然の出演を快諾してくれた吉祥寺world kitchen BAOBABさん
僕たちと出会ってくれたたくさんの人たち

 

そして
僕たちの暖かな寝床と豊かな時間を惜しげも無く渡してくれた
ミュージシャンの岸本 宗士くん

 

初めて行く
海外のように
新鮮で
今までで一番
満たされた
東京旅になりました

本当に
心から
ありがとうございます

 

 

 

自分が空っぽになってゆく感覚

 

本を読む時間も減って
映画館や美術館に
足を運ぶ回数も減った

自分の中の
とっても大切な
何かが着実に
減りつつある

それは僕にとって
すごく怖いことだった
自分を
自分たらしめている
と思っていたもの達から
自ずから離れていっている

自分の中の
注ぎ続けて
足し続けてきた
何かが
靴の底みたいに
減ってゆく

ゆるやかな生活の中で
地面が崩れるのではなく
足が蔦に絡め取られるような

 

「足さないと生み出せない。」

そう思っていた

“ぼくという水筒だかタッパーだかに、
色々な飲み物を入れて混ぜる。
それをグラスに注いで
最後に味を整える”

ことが”クリエイト”だと思っていた

だから僕は恐れていたし
追われるように足し続けていた

でも
いろんなものを
手放していく内に
見えてきた

身近な人への感謝と
日々の行いの大切さ

ぼくがぼくを
生きるのではなく
ぼくの周りの中に
ぼくが生きている

言葉も忘れてゆく中で
陽を受けて風に揺れる葉が
頼もしく見えてくる

 

そんな感覚を
今は大切に

手放して
空っぽになって
分かったんだから
大切にしてみよう

中国行きのスロウ・ボート

突然、何かに引っ張られるように台湾へと行ってきた。
“引っ張られる”というよりは、”押し出された”感じだった。

ボールを詰めた筒の片方からポンプのように押し出すと
反対側のボールが飛び出る
そんなオモチャが昔あったな。

僕が初めて台湾に行ったのは
2016年の2月。
今から3年と9ヶ月前だ。

その時は、ハンドパンを手にいれてまだ数ヶ月しか経っていなくて、
“度胸試し”として台湾へ足を運んだ。

空港で親切にしてくれたお姉さんも、
ストリートで話しかけてくれた大学生も、
会えなかったけど、
英語も通じない中で無理やり伝えて
初めて演奏したレストランは
そのままだった。

前回、僕がずっと演奏をしていた
西門町は、少し居心地が悪くなっていた。
観光地化がさらに促進された挙句
全てが飽和して、
誰も楽しんでいないのに
“楽しさ”を強要してくるようだった。

でもこれはきっと、
僕が年を取ったからだ。
3年と9ヶ月もあれば、
僕も、街も、人々も、
変わっていく。

跡形もなく変わることだって
可能なぐらいに。

 

西門町を出て僕が向かったのは、華山1914という場所。

日本統治時代に建てられた酒造工場がずっとほったらかされていて、
最近オシャレスポットとして復活したみたい。

剥がれたレンガもそのままに、
裏にある広大な公園では
たくさんの人々や犬が
とても気持ち良さそうにしていた。

 

人と話をしたくなった

ハンドパンをもっと演奏したくなった

 

あれは、熱意なんてものじゃなかった。
使命の方が近いけど、もっと濁っていた。

落ちない壁のシミに向かって、
ひたすら雑巾をかけるような。

小さいシミだし、
目立たない所なのに。
せめて、拭くなら
洗剤とかを使えば良いのに。

そんなことを言われながら、
ただ愚直に拭き続ける。

なんだか
汚れが
ひどくなっているような
気がする。

誰に聞いても、
変わりはない、と
言われるけれど。

錯覚だとしても
現実だ。

僕が旅の時に毎回持っていく本
村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』

その中に、こんな一節がある

「僕の中国は僕のための中国でしかない。あるいは僕自身である。
(中略)
地球儀の上の黄色い中国。これから先、僕がその場所を訪れることはまずないだろう。それは僕のための中国ではない。
(中略)
それは僕のための場所ではない。僕の放浪は地下鉄の車内やタクシーの後部座席で行われる。僕の冒険は歯科医の待合室や銀行の窓口で行われる。僕たちは何処にも行けるし、何処にも行けない。
(中略)
友よ、中国はあまりに遠い。」

 

さよなら、台湾
また、いつか

 

澄んだ水が入った水槽のような。

とても久しぶりのブログ更新になってしまいました。

「最近何もなかったの?」って聞かれるとあり過ぎるぐらいありました。笑

 

愛知県の海にほど近い碧南市にある西方寺というお寺で演奏をさせてもらったり。

僕の地元にほど近い大阪府・池田市伏尾台の地域防災訓練とほそごう学園の文化祭を混ぜたイベントで演奏したり。

東京の駒込にある小さな公園でハンドパンを演奏していたら子供たちが興味を持ってくれて気が付けばケードロをしていたり。

絵描きの友達と夜から朝まで無観客夜通しライブをしたり。
(あ、ちなみにこれは映像作品になる予定。お楽しみに。)

チェロと一緒にレコーディングをしたり。
(これはCDになるよ。めちゃくちゃカッコ良くて迫力がある、現代音楽みたいなポップスになるよ。楽しみにしてて下さい。)
Recording Studio: studio forest(dtcd)
Engineer: 大野ヒロ
Cello: Suzuki himeno
Handpan: SHU

たり。タリ。足りないけど満ち足りていたり。

ただなんというか、言葉にするのがとても難しくて、少しやめてみたくなった。

 

僕の周りの色んな出来事の一つ一つがとても良い意味で”なんてことのない”日々に組み込まれていて、「あなたは今日何回手を洗いましたか?(そうそう、僕は手を洗うのが好きなんです。)」なんて質問に答えられないのと同じようなもので。

でも僕がいつか自由に手を洗うことが出来なくなったら、次に手を洗えた時は回数を数えるかもしれない。

そんな風に、なんでもない当たり前の日常に巧妙に組まれた幸せを、有り難くその形のまま受け取っていた。

 

何も起きず、何一つせず、そんなことに満たされている。

 

日が沈みかけた日曜日の電車。
四人家族が寝ている。
母親は弟を、父親は姉を抱いている。
この世の全ての安心と生活の疲れが凝縮された、象徴のような光景だった。

 

だから、なんていうかさ、少しの間会っていない人もいるけど、まだまだこれから出会う人もいるし、ビジネスライクになってしまっている人もいるんだけど、僕はこのまんま変化するからさ。

朝起きたらでっかい虫になっているかもしれないし、僕の人生は蝶の見る夢かもしれないしさ。

 

やっぱりうまく言えないけど、それすらも気持ちいいや。

カナダ旅行記⑥最後に

→”カナダ旅行記⑤アメリカの話”へ

 

最後はやっぱり、ストリートライブの話を少し。

これから言うことは『大阪でのバスキング』と『トロントでのバスキング』しかほとんど知らない僕の、只の感想です。

 

みなさんが飽きないように、関係のないカナダの思い出写真をちょくちょく入れるので、文章に興味がない人はそちらを楽しんで下さいね。笑

まず、カナダでバスキングをしていて最も僕が感動したことは、”Thank you.”って言われることがものすごく多かったことです。

 

『この場所でこの瞬間に演奏をしてくれたから、素敵な音楽を偶然聴くことが出来た』

『ただの道が、素敵な音が流れる場所になって幸せな気持ちになれた』

『毎日の営みの中で、素敵な演奏にあなたのおかげで巡り合うことが出来た』

 

誇張でも妄想でもなく、そういった意味が込められた”Thank you.”だと言えます。

そう思って、そう言える人がたくさんいるっていうのは素直に素晴らしいことだと思いました。

もう一つ、『欧米でバスキングをするとたくさんお金が入る』と言われる話について。

その理由としてよく挙げられるのが、”チップ文化”や”硬貨を直接ポケットにしまう人が多い”などです。

それらとは別に、僕が現地で感じたのは”民族多様性”でした。

ここからは、さらに僕の穿った考えかもしれないので、不快に思う人がいたらごめんなさい。

前提として、僕のいたトロントは本当に色んな人が多い。

肌の色や髪の質や顔の作りから始まって、何語が母国語か、家では何語で話すのか、自分の祖父母やその前の先祖がどこから来たのか、何を食べて育ち、何をルールやマナーとして教えられてきたのか。

 

それらが違って当たり前。

そんな社会でみんなが生活をしている。

だから彼らは、僕たち以上に、僕から見れば必要以上に『親しみを持って、細かく』他者と接する。

誤解を恐れずに、僕の思ったままの言葉で言うなら『周りの人間が何を考えているか全く分からないから、喋って相手を理解して親近感を作りに行く』感じ。

街を歩いていても電車に乗っていても、基本的には他人と無言で接触することはない。

躱すか、ぶつかったら謝る。

それは、彼らの優しさであると同時に日本で暮らす僕よりも『他者を信用出来ないのが当たり前』だからなんだと感じた。

日本に帰ってきて、街中や電車などで人と接触することや、ぶつかったりよっかかったりしてもいちいち謝ったりしないこと、ボケッとムスッとして無表情でいられることは、『他者と自分が近い環境で育ってきている』という無意識のうちの安心感があるんだ、と思った。

 

何を言いたいのかと言うと、『欧米でバスキングをするとたくさんお金が入る』理由として、彼らは僕たち以上に『誰かが突拍子もないことをするのに見慣れていて、受け入れる準備が日々の生活で無意識のうちに出来上がっている』ということを僕が感じたって話です。

誰かが表現したいこと(芸術に限らず、感情の話)を、ありのままに街中で突如発することに慣れている。

何故なら、『みんなが違って当たり前』だと本気で無意識のうちに僕ら以上に身に染みているから。

 

そんなことを思いました。

最後にもう一度言います。

これは、ただの僕の感想です。

だから、知識としては不十分だけど間違いだと言うには、僕が可哀想です。笑

では、カナダの話はここまで!!

せっかくなので、面白いぐらい自分の写真で埋めてやりました。

需要のない文章と、需要のない写真。このブログが受けない時の言い訳が完成です。笑

 

さて、日本に帰ってきたから、『ここでしか出来ないこと』をたくさんやっていきます!!

関東旅行記3日目

さてさて関東最終日〜!!

1日目から見てくれている人はいるのかな?飽きてないですか?もう終わりなんで、達成感のためだけにでも読んで下さいね。笑

 

この日は当初何も予定がなかったはずなのに、終わってみればめちゃくちゃ濃かったです。笑

 

まずは、一昨日にバーで知り合った人に誘われるがまま保土ヶ谷公園という大きな山の中の運動公園にあるギャラリーへ!!

このギャラリーで森田ヒロさんという方が展示をしていて、「ここで音出せたら面白いよね~。じゃあ、とりあえずやってみよっか。」っていう音出しに誘ってもらったのだと行ってから知りました。笑

すごく可愛くてオシャレな所で、”楽しむ”ことを十分に知っている素晴らしい人たちとインプロミュージック。言葉だけで気持ち良すぎるって分かってくれますでしょうか??笑

 

バーで出会ったこたきさんも画家の森田ヒロさんも、一緒にいたジェンベ演奏のたつやさんも、みんな僕よりかなり上の同世代友達って感じで、なんかめちゃくちゃカッコ良かったです!!

お互いを尊重している大人な感じもありながら、スケボーの話で盛り上がってたりして。笑

 

 

その後はなんと、3日間僕を匿ってくれたIRIE BOYSのアランが働いているアメリカンスタイルなダイニングバーで演奏させてもらいました!!

突然決まったので、チャージフリーの投げ銭スタイルでやらせてもらいましたが、本当にみなさん温かく聞いてくれて、終わってからもハンドパンを触ってもらったり、たくさんの人と話をしました!!

 

また、CD出したら絶対に行きます!!

今度は事前にちゃんと日にちを決めて。笑

 

最後はみんなと喋っていたので、アランともあまり喋れないままバタバタ電車に飛び乗って帰りましたTOSA。

アラン、本当にありがとう!!これからも遊ぼうね!!

 

 

 

今回の関東遠征は、とてもとても濃い3日間でなんだか1週間ぐらいいた感覚。

幸せです。本当に僕の周りは優しい人ばっかりで、いつも助けられています。

ありがとうございます。

これからも助けて下さい。笑

 

もし、あなたが困っていたら僕のできる範囲で助けられる自分でありたいです。

というわけで、まだまだ遊んでいきます。

 

これからも、よろしくね。

 

CHAN-CHAN.

 

ブログ”関東旅行記1日目”はこちら

ブログ”関東旅行記2日目”はこちら

 

関東旅行記2日目

2日目は、昼過ぎにモソッとアラン宅で目覚めました。

とりあえず遠征した時の僕の恒例、寝起きの頭にビールを流し込んでいざ桜木町駅へ!!笑

 

もともと今日は、横浜の元町とか中華街でライブをしようかなと思っていたのですが、昨夜行ったバーで「観光地だけど土日以外そんなに人がいないよ」っていう貴重な情報を得たので桜木町になりました。

 

そしていざ到着してみると、勧められていた駅前の広場ではなんと警察のイベントが……!!笑

今回は何かと警察に縁のある旅です(これすごい悪い言い方ですね)。笑

 

でも、「これで何も言われなかったら逆に最強じゃん」って思ってしまった僕は警察のイベントの真後ろでストリートライブをしてみることに!!笑

 

結果として誰に止められることもなくストリートライブを気持ち良くやっていると、なんとトリニダード・トバゴ(ハンドパンの原型であるハングの元になったスチールパン発祥の地!!)から来ていたカップルとか、可愛らしい子供とか、またまたたくさんの人に話しかけてもらえました。

その中で1人、ギターを背負った男性がいたので演奏が一区切りしてから話しかけてみると、このケントくんという男性はなんとこれから関内にあるB.B.STREETでライブとのこと!!

このライブハウスは僕がDAMというバンドをしていたときにめちゃくちゃお世話になった、横浜で一番好きなライブハウス。

 

さらに話を進めるとなんと同い年!!

もう、仲良くならない訳がない。笑

ケント(もう呼び捨て笑)も速攻でギターを取り出して、即興でセッションをしました。

めちゃくちゃ楽しかったです。

その様子はTwitterやFacebookに上げているので、是非見てください!!

本当に素晴らしいので!!

僕のFacebookページは”Trash drummer”で検索!!

(しれっと宣伝。笑)

 

 

そんなこんなで、桜木町でのストリートライブの後は今回の遠征の核だったハンドパンナイトを観に東中野驢馬駱駝(ろまらくだ)へ!!

もうこれは、あえて書く必要もないぐらい最高でした。

本当にね、もう、長くなるから書かない。笑

写真だけあげる。僕が満足すぎて変な顔してるけど、写真だけあげる。笑

 

そして身も心も満タンまで気持ち良さと嬉しさと充実感が入りきってヘロヘロになって帰宅しましたTOSA。

 

さぁ、お次は最終日!!

このイベント以外何も予定を決めずに来たのに、明日は2つも予定が入ってるよ~!!

 

みんな優しいな、僕は幸せ者だな。

 

ブログ”関東旅行記3日目”はこちら

ブログ”関東旅行記1日目”はこちら

泣こーが喚こーが笑おーが黙ろーが。

僕が普段ストリートライブをさせてもらっているのは、大阪・梅田のグランフロントからスカイビルに行く途中にある、通称”梅北地下道”です。

1928年以来、約100年間使われてきた地下道ですが、12/19をもってその大部分が閉鎖され新たな地上の道が使われるようになるみたいです。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXLASJB21H4R_R20C17A9LKA000/

 

とりあえずは残った地下道部分を視察してみたいけど、きっとかなり人が凝縮されるからストリートライブは難しいかもな〜なんて考えたり。新しい場所って言ってもどこかあるかな〜なんて考えたり。

あの場所はなくなったし、この場所はなくなるけど、またどこかで新しい場所と出会いがあったり。

あんなに会っていた人に会えなくなったり、色んな人が声をかけてくれたり。

 

「綺麗な音色を聴かせてくれるのはいいけど、風邪引かないようにね。」って言ってくれた人。目が見えない人が音につられて寄ってきてくれた。「いいもん聴かしてくれてありがとう。」って言ってくれた人。拍手してくれる人。話しかけてくれる人。その場は通り過ぎたのに、後でfacebookでコメントをくれた人。「CD出るの楽しみにしてるね。」って言ってくれた人。ハンドパンをペチペチ叩いてめちゃくちゃ笑顔になってくれた子供。「すげーー!!」って思ったままに言ってくれた人。親を引き留めて聴いてくれた子供。

 

たくさんの人が僕に優しくしてくれます。

本当にたくさんの人が僕と接してくれます。

大阪ももうとても寒くて、なんだか頭の中もこんがらがっていて、やっぱり冬がまだ苦手で、冬になると塞ぎ込みそうになる僕だけど。

ハンドパンを演奏している時はすごく集中出来て、心がとても落ち着きます。

ハンドパンを演奏していると、たくさんの人と話をすることが出来て、喜びを感じます。

 

僕は、たくさんの人が利用する道路で、勝手に演奏をしています。

邪魔だと思う人もいると思います。

あと少し、あの場所で演奏させて下さい。

 

 

僕は、君と同じ様に、特別で自由な道を選んでいる。

誰だってそんなはずだ。

自由に程度はないし、加減もないし、良し悪しもない。

誰だってそんなはずだ。

本来ならそうなんだ。

競い合い高め合うことは必要だけど、人生そのものにまで”差”はいらない。

 

僕は特別で自由で思い通りの”当たり前”を生きていて、君は特別で自由で思い通りの”当たり前”を生きている。

それだけの話にしたいんだ。

本当に、全部大したことじゃないし、全部立派なこと。

それだけの話にしたいんだ。

 

悟る気も死ぬ気もない僕。

一人ぼっちで孤独だなんて、周りにたくさんの人がいるから思えることなんだってようやく気付いた。