【聞かれてないけど勝手に!!ハンドパンQ&A!!④】

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「なんか色んな名前で似たような商品があるんだけど・・・」

そうなんです。”【聞かれてないけど勝手に!!ハンドパンQ&A!!②】「ハング(Hang)って何?」”で紹介しましたように「ハング(Hang)」から始まったこの、わずか17年ほどの歴史の中で、実に様々な楽器が生まれました。今回はそれらをまとめて紹介したいと思います。

・スチールパン・スチールドラム

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・ハング(Hang)

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・ハンドパン

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・ハピドラム/金属製スリットドラム(タンドラム)

→2008年にアメリカの楽器メーカーによって製造された楽器です。音の配置や形、演奏方法や音色から察するに、ハング(Hang)あるいはハンドパンから着想を得て、それを小型化、大量生産化したものだと思います。僕自身の個人的解釈と、実際に演奏したときの感想ですが、寄せてはいるものの、やはりハンドパンはあのサイズと深み(つまり空洞の大きさ)があって初めてあそこまで幻想的でコズミックな音が出せると思っていますので、そういった意味ではやはり全く別物です。良い悪いではなく、音色も値段も全くの別物だと考えた方がいいと思います。しかし、サイズや値段の面で言えば、非常に購入しやすく、持ち運びも容易なうえ、大量生産に成功しており多くの楽器屋さんでも取り扱っているので、お持ちのパーカッションの中の一つとして加えたら面白いと思います。

 

・カイサドラム

→これは見た目がとても似ているのでハンドパンと混同されがちですが、別の楽器になります。こちらも生まれは2008年なので、ハング(Hang)あるいはハンドパンの影響を受けて作られたものと思われます。上から見た図はよく似ているのですが、上からみて分かる違いは、それぞれのTonefield(周りの凹んでいる部分)の辺りを囲むように小さな穴が開いていること。おそらく、ハンドパンの下のHoleの役割をしています。そして、下面と上面がワイヤーで固定されていて、いわば上面が宙吊りになっているようです。(僕も生で見たことがないので調べた情報のみになってしまいすみません。)そして下面は一般的には木製で、スタンドを固定するための穴や、座って演奏するときに木を差し込めるような仕様になっているようです。音色はハンドパンに近いですが、中の空洞部分での共鳴が少ないので少し軽い音になっている気がします。(動画を拝見しただけの個人的感想です。)

・タンドラム(スリットドラム)

→タン(舌)やスリット(切れ込み)という単語を使うと、ハピドラムなども入ってきてしまってややこしいのですが、一般的にタンドラム・スリットドラムと言えば木製の写真のようなものを指します(写真をパッと見たらカステラと間違えそう笑)。木箱にタン(舌)のようなスリット(切れ込み)を入れた楽器で、中は空洞になっています。音の原理は木魚などと同じで、楽器分類学に沿って言えば、ハンドパンと同じ「体鳴楽器」になります。音色としては、木製ということもあってシロフォンやマリンバ寄りではあります。しかしもちろんサイズが違うので、逆に言えばアクセントとしてシロフォン的な音を軽くパーカッションで使いたいときに便利かもしれません。
そのほか、金属製のタンドラム(スリットドラム)もあり、そちらはハピドラムやガンクドラムにことになります。

・グーバル→【聞かれてないけど勝手に!!ハンドパンQ&A!!②】「ハング(Hang)って何?」へGO!!

以上です!!他にも何かややこしい名称のものがあれば教えて下さい!!

 

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「スティールパン・スチールドラムって何?」

さあ、すっかり3回目となりましたがさらに時間を遡ります。今、僕たちは時代を逆走しています。笑

【聞かれてないけど勝手に!!ハンドパンQ&A!!①】では、「ハンドパンって何?」というタイトルの元、ハンドパンの説明をし、【聞かれてないけど勝手に!!ハンドパンQ&A!!②】では「ハング(Hang)って何?」というタイトルで、少し時代を遡ってPANArt社の話をしました。そして今回は更に、PANArt社が「ハング(Hang)」を作る元になった「スチールパン(スチールドラム)」についてお話をします。

スチールパンあるいはスチールドラムと呼ばれる楽器は、1939年に発明されたと言われており、「20世紀最後にして最大のアコースティック楽器発明」と呼ばれ、現在ではトリニダード・トバゴ共和国の政府により正式に「国民楽器」として親しまれています。

何十人もの人間が一つのグループとして参加し、毎年トリニダード・トバゴ共和国で開催されている「ナショナル スティールパンバンド パノラマ コンペティション(通称パノラマ)」の映像や楽しそうな顔、賑やかな音色などを見ていると本当にカッコ良くて、映像を見ているだけで踊りたくなりますが、その楽器の発明の裏には実は暗いお話があります。

 

19世紀半ば、イギリスの占領下にあったトリニダード・トバゴでは、黒人たちは奴隷として扱われていました。そしてその中で彼らはあらゆる娯楽をイギリス人によって制限され、あらゆる楽器の演奏を禁止されました。

そして1939年、一人の男がへこんでボロボロになったドラム缶を直そうと叩いたときに、箇所によって違う音が鳴ることに気付き、この楽器の誕生に至ったというのが通説です。

その後奴隷制は廃止され、トリニダード・トバゴ共和国に住む人たちはこの楽器に魅力に取り憑かれました。話に聞いただけなので真実か分かりませんが、トリニダード・トバゴには村に一人は絶対にスチールパンを作ることが出来る職人がいて、村人からその人はとても尊敬されているそうです。

余談を挟みましたが、奴隷制度や人種差別などの悲惨な歴史が生み出したとは思えない明るい音色に、僕はトリニダード・トバゴの人たちへの尊敬の念が生まれます。

そしてその後、スチールパンは世界中に広まりました。最初は、「カリブ海の小さな島国で盛んな、変わった民族楽器」という認識で、いわば興味や物珍しさが先行する形で受け入れられていったようですが、次第にジャズやクラシック、ポップスなどでも広く使われるようになり、各ジャンルで有名なスチールパンアーティストも生まれていきました。

日本では1970年代後半に細野晴臣が使用したりと、割と早い段階だから使われていましたが、1980年に郷ひろみの「セクシー・ユー」という曲で使われたことによって広く一般に認知されるようになったと言われています。

と言う訳で、ハンドパンの認知度が日本で爆発的に広まるためには、誰か有名なアーティストがハンドパンを使用した曲を作ってくれることを願っています。笑

さらに欲を言うなら、僕を使ってくれてもいいんですが・・・。笑

今回は、トリニダード・トバゴ共和国で毎年開催される「ナショナル スティールパンバンド パノラマ コンペティション(通称パノラマ)」の映像と共に終わりにします。

これ見たら本当に勝手に笑顔になって身体がウズウズしてきますよ!!

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「ハング(Hang)って何?」

前回の【聞かれてないけど勝手に!!ハンドパンQ&A!!①】では軽い説明しかしませんでしたが、「ハンドパン」と「ハング(Hang)」は似て非なるものです。前回は「ハング(Hang)」の説明を省略しましたので、今日はハンドパンの起源となるその「ハング(Hang)」について、僕の知る限りですが説明をしていけたらと思います。

ハング(Hang)を発明したのは、スイスに拠点を置く楽器製造メーカー、PANArt社。代表はFelixとSabina。

彼らは元々、1976年から母国スイスにて、トリニダード・トバゴ共和国発祥のスチールパン(スチールドラム)を作っていたのですが、そのときに「metal(金属)を楽器として捉え、研究する」ということにハマったようです。

そして、自身でPANArt社を設立し、(ほとんど山に篭るような形で)自らの金属への理解を高めるために修行をしました。

そんなある日、スイス人であり、世界中を旅していた音楽家のRetoが自身が持っていたスチールパンをチューニングしてもらおうとPANArtを訪れ、そのときにインドから持ち帰ったガタム(Ghatam)という民族楽器をFelixに見せ、「このように手で叩けて、なおかつスケール(音階)があるものを作れないか?」とFelixに尋ねました。

(↑↑インドの民族楽器ガタム(Ghatam)

そしてそのときにFelixが即席で作ったのが、単純にスチールパンを二つ重ね合わせたような、とてもとても大きなものでした。(今回貼る”’A discreet revolution’ – PANArt® Hang Documentary 2006”というPANArt社を追ったドキュメンタリー映像の中でもその実物が出てきますが、大きさや音色はともかく、下の真ん中にホールがあるなど、形は現在のものと大差ありません。)

それがハング(Hang)の、あるいはハンドパンの歴史の始まりです。

つまり、スチールパンを製造していたFelixがより芸術家としての、あるいは自己の高みに上るために立ち上げたPANArtという「金属楽器製造屋さん」に、インドのガタム(Ghatam)が持ち込まれたことによって生まれた化学反応の結果、ハング(Hang)あるいはハンドパンの歴史が始まったのです。

そこで新しい道が開けたときにFelixがまず思ったことが「こんなに大きな楽器誰も演奏出来ない」ということでした。笑

そこから小型化と音の研究が進み、現在のような大きさ、形、音色に落ち着きました。

そしてハング(Hang)の発明に至る訳ですが、楽器を歴史の順番に並べると、「ハング(Hang)とはスチールパンから派生した楽器」という分類に収まるかもしれませんが、PNArt社を追ったドキュメンタリーを見ていると、Felixはそのように考えていないことが分かります。つまり彼は、「スチールパンという楽器は自分の創造性をとても刺激してくれる楽器であり、技術や知識の元ではあるが、あくまでもハング(Hang)はどこにも似ていない全く別の楽器である」と考えています。そしてこれもあくまでも個人的にですが、僕もそのように考えています。

当初、そしておそらく今もPANArt社が掲げている理念と、スチールパンが発生した経緯は全く別物です。(スチールパンの由来については次回でお話をします。)

2013年、PANArt社はハング(Hang)の製造を正式に中止しました。常に新しいものを作っていく彼らは現在Gubal(グーバル)という楽器などを製造していますが、ハング(Hang)の広がり方が(おそらく)彼らの望んだ形ではなかったため(ドキュメンタリーの中でFelixは「ハング(Hang)は街中の大きな楽器店に置かれるような楽器であるべきではない」と明言していますが、現在のハンドパンの広がり方を見ればそれは残念ながら上手く伝わらなかったようですが、あの音色の美しさを考えると当然の結果と言えなくもないかと思います。現在PANArt社が製造・販売をしているGubalなどについては、一般的な販売は受け付けず、逆にPANArt社がプレーヤーを選ぶような形で、数人のプレーヤーにより演奏されています。

より詳しく知りたいと言う方は、下の動画をご覧ください!PANArt社のドキュメンタリー映像で、約1時間あり英語版のみですが、とても見応えのある面白い映像です!

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「ハンドパンって何?」

まずはここから!でもここの説明がおそらくすごく大切で面倒臭い。笑

ハンドパンとは、2000年あるいは2001年にスイスで発明された「ハング(Hang)」に由来を持つ、金属製の「体鳴楽器」です。(体鳴楽器とは、簡単に言うとギターみたいに弾く楽器でもないし、トランペットみたいに吹く楽器でもないし、スネアとかコンガみたいに面(ヘッド、膜のようなもの)を張ってそこを叩く楽器でもないよということです。近いのだと、トライアングルやシンバルのような楽器になります。)

歴史を遡って見てみると、2000年にスイスのPANArt社が「ハング(Hang)」を発明した背景には、トリニダード・トバゴ共和国で発明された「20世紀最後にして最大のアコースティック楽器発明」と言われている「スチールパン(スチールドラム)」があります。

PANArt社が発明した「ハング(Hang)」や、トリニダード・トバゴの国民楽器である「スチールパン(スチールドラム)」については、また別の機会に詳しく説明をしますが、今回はそれらを元に作られた「ハンドパン」についてお話します。

ハンドパンについては、現在世界中で100以上のメーカーが確認されており、ハンドパンを持ち運ぶ専用のハードケースや、日々のケアに欠かせない専用のケアオイルなども発売されています。

Twitterを始めとするSNSでは高速で日々情報が更新されていますが、日本語で書かれたインターネットページではなかなか情報が更新されないままになっていることが多いので、2018年7月現在、僕自身が知っていることを書いていきます。

インターネット上の古い記事では、ヨーロッパのいくつかの有名なメーカーや、アメリカのいくつかのメーカーを上げていたり、逆に「東南アジア産のものは粗悪品である」と書かれてあることもあります。2~3年前までは確かにそのような状況もあったかもしれませんが、現在は全メーカー確実に腕を上げてきています。特にインドネシア産やタイ産に関しては、品質はとても安定しています。

この背景には、ハング(Hang)がスイスのPANArt社によって発明された当初、製造方法などが秘密にされており、楽器自体が謎に包まれた存在だったということがあります。(音色も相まってそれは神秘性を増していきました。)

しかし、2006年にPANArt社のドキュメンタリー番組を放送すると、そこから爆発的に「模造品(レプリカ)」という形で多くのメーカーが類似品(ハンドパン)を製造し始めました。(呼称については、ハング(Hang)はPANArt社が商標を取ったので、各メーカーが製造を始めたときは、「ハングドラム」「パンタム」「パンドラム」など様々でしたが、現在は「ハンドパン」で統一されている傾向にあります。また、「ハピドラム」「カイサドラム」「タン(トーン)ドラム」「スペースドラム」などにつきましては別の楽器になりますので、後に説明をします。)

話は戻りますが、そのドキュメンタリー番組をきっかけとして、近くのヨーロッパから生産メーカーが出来、順にアメリカ、アジアとメーカーの数は増え続けていき、現在も増加傾向にあります。

ここで注目したいのは、ハング(Hang)の発明元であるPANArt社がインタビューで答えた内容です。

“To state it clearly and precisely: we do not make percussion instruments, handpans or hang drums.”、”The Hang is sometimes referred to as a hangdrum, but the inventors consider this a misnomer and strongly discourage its use(wikipediaより)”

また、後日紹介しますが、”’A discreet revolution’ – PANArt® Hang Documentary 2006”というPANArt社を追ったドキュメンタリーでも同様のことを述べています。

簡単に言えば、「私たちが発明したのはHangであって、他の楽器の何物でもない。他のハンドパンと同一には考えないで欲しい」とハッキリ言っています。

つまり、製造方法が分かり、様々なメーカーが作り出した当初、その大元であるPANArt社はそのほとんど全てを明らかに「ニセモノ」だと言っているのです。

しかしその後、PANArt社の意向とは(おそらく)そぐわない形でメーカーは増え続け、切磋琢磨があり、早い段階で生まれたヨーロッパの製品はその品質を上げていきました。

現在では、有名メーカーになるとWaiting Listに名前を書くことすら止めている会社もあるぐらいで、Waitinig Listに書いても手に入れることが出来るのは1~2年後というのが通常です。

しかし、逆に言えば超有名メーカーでなくとも、確かな品質のハンドパンをリーズナブルな価格で手にいれることが出来る状況は整ってきています。

今回はここまでです。写真はPANArt社が作った1sr Generatonと呼ばれる初代モデルと、タイ産ハンドパン、ベトナム産ハンドパン、韓国産ハンドパンです。見比べるとメーカーによって色、形などが様々なことがよく分かると思います。

(↑↑Hang 1st Generation by PANArt)

(↑↑ハンドパン タイ産)

(↑↑ハンドパン ベトナム産)

(↑↑ハンドパン 韓国産)

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