おクジラさま

大阪は、一週間ほど雨が降り続けています。なかなかストリートライブに行く気力も湧かず、家で曲作りの毎日(それはそれですごく楽しい笑)ですが、今日は、映画館で見る今年20本目の映画を観てきました!!

タイトルは、『おクジラさま ふたつの正義の物語』。

これは、和歌山県太地町で400年間以上続けられてきたイルカ漁に関する問題(?)を、日本に長年住むアメリカ人ジャーナリストの目線で、”日本とアメリカのズレ”に焦点を当てて描いたドキュメンタリー映画です。

同じ内容でアカデミー賞などを受賞し、日本でも”公開するか否か”で大きく話題になった、2009年に公開されたドキュメンタリー映画『The Cove』(これは僕はまだ観ていない)から疑問を感じて、自分の目で太地町を見ようとしたアメリカ人ジャーナリストに焦点をあてた映画です。

 

2009年、『The Cove』によって、いきなり世界から標的にされた小さな漁師町、和歌山県太地町。

 

イルカを守りたい人、伝統を守りたい人。

生態系を気にしたり、『絶滅危惧種ではない』と言ったり、法律で定められた範囲内で捕獲しているとか、殺し方が野蛮だとか、一瞬で苦痛もなく殺しているとか、生物への感謝がうんぬん、そもそも捕鯨に関する国際的な環境法はアメリカが過去に乱獲したからだとか、イルカの肉には水銀が多く含まれているから危ないとか、哺乳類で人により近い生き物だから可哀想だとか、『そもそも美味しいの?』とか、捕鯨しかやってこなかった人と町の収入と存続とか。

 

“正義”と”正義”が泣きながら全力で殴り合っているようだった。

主張は正しいとしても方法が間違っていたり、自分とその町が長い歴史の中で続けてきた暮らしに誇りを持っているだけだったり。

 

“間違いを正したい”、”私こそが正義だ”。

 

イルカ漁を”野蛮で恥ずべき行為だ”と挑発する白人も、『何も知らないくせに』と、失笑して無視する日本人も醜く見えた。

 

この映画を観て、初めて太地町のことやシーシェパードのこと、捕鯨に関する法律や、僕の知らない倫理的観念を突きつけられたばかりの僕には、どちらが正しいか(どちらの主張がより合理的でかつ感情を揺さぶるか?)、新たな道を模索するのか、はたまたそんなこと忘れてしまうのか、それはまだ分からないけど、一番最後に町の漁師が泣きそうに放った『”普通”に生活させて下さい』という言葉が頭に残った。

 

きっとこの言葉に、あらゆる揉め事の一番大切で、それなのに一番見失いがちなことが宿っている。

 

和歌山県太地町と捕鯨に関する一連の話だけではなく、今までの歴史から、これからどんどん加速していきそうな超高速プライベートレス社会、さらにはあなたの隣にいる大切で憎らしくて愛おしい生物についてまで、様々な状況に当てはまる内容でとても考えさせられたので、またみなさんも機会があれば観てみて下さいね!!

 

あ、ダメだ。本当に一つの映画について一つのブログを書いてしまった。笑

ちゃんと、ハンドパンとかの話もまたしますね!!笑