【聞かれてないけど勝手に!!ハンドパンQ&A!!②】はコチラ!!
「スティールパン・スチールドラムって何?」
さあ、すっかり3回目となりましたがさらに時間を遡ります。今、僕たちは時代を逆走しています。笑
【聞かれてないけど勝手に!!ハンドパンQ&A!!①】では、「ハンドパンって何?」というタイトルの元、ハンドパンの説明をし、【聞かれてないけど勝手に!!ハンドパンQ&A!!②】では「ハング(Hang)って何?」というタイトルで、少し時代を遡ってPANArt社の話をしました。そして今回は更に、PANArt社が「ハング(Hang)」を作る元になった「スチールパン(スチールドラム)」についてお話をします。
スチールパンあるいはスチールドラムと呼ばれる楽器は、1939年に発明されたと言われており、「20世紀最後にして最大のアコースティック楽器発明」と呼ばれ、現在ではトリニダード・トバゴ共和国の政府により正式に「国民楽器」として親しまれています。
何十人もの人間が一つのグループとして参加し、毎年トリニダード・トバゴ共和国で開催されている「ナショナル スティールパンバンド パノラマ コンペティション(通称パノラマ)」の映像や楽しそうな顔、賑やかな音色などを見ていると本当にカッコ良くて、映像を見ているだけで踊りたくなりますが、その楽器の発明の裏には実は暗いお話があります。
19世紀半ば、イギリスの占領下にあったトリニダード・トバゴでは、黒人たちは奴隷として扱われていました。そしてその中で彼らはあらゆる娯楽をイギリス人によって制限され、あらゆる楽器の演奏を禁止されました。
そして1939年、一人の男がへこんでボロボロになったドラム缶を直そうと叩いたときに、箇所によって違う音が鳴ることに気付き、この楽器の誕生に至ったというのが通説です。
その後奴隷制は廃止され、トリニダード・トバゴ共和国に住む人たちはこの楽器に魅力に取り憑かれました。話に聞いただけなので真実か分かりませんが、トリニダード・トバゴには村に一人は絶対にスチールパンを作ることが出来る職人がいて、村人からその人はとても尊敬されているそうです。
余談を挟みましたが、奴隷制度や人種差別などの悲惨な歴史が生み出したとは思えない明るい音色に、僕はトリニダード・トバゴの人たちへの尊敬の念が生まれます。
そしてその後、スチールパンは世界中に広まりました。最初は、「カリブ海の小さな島国で盛んな、変わった民族楽器」という認識で、いわば興味や物珍しさが先行する形で受け入れられていったようですが、次第にジャズやクラシック、ポップスなどでも広く使われるようになり、各ジャンルで有名なスチールパンアーティストも生まれていきました。
日本では1970年代後半に細野晴臣が使用したりと、割と早い段階だから使われていましたが、1980年に郷ひろみの「セクシー・ユー」という曲で使われたことによって広く一般に認知されるようになったと言われています。
と言う訳で、ハンドパンの認知度が日本で爆発的に広まるためには、誰か有名なアーティストがハンドパンを使用した曲を作ってくれることを願っています。笑
さらに欲を言うなら、僕を使ってくれてもいいんですが・・・。笑
今回は、トリニダード・トバゴ共和国で毎年開催される「ナショナル スティールパンバンド パノラマ コンペティション(通称パノラマ)」の映像と共に終わりにします。
これ見たら本当に勝手に笑顔になって身体がウズウズしてきますよ!!